ベタやけど、やっぱり秋は芸術じゃ~
(一応普段から芸術家の端くれをしているはずだが)
11月6日から25日の20日間に、4つの展覧会を堪能することができました。
(あ、3つはこの一週間でまとめて・・・)
こんなに短期間で大きな展覧会を4つも見るなんて、今まで無かったと思う!
①シャガール展 京都文化博物館にて。
個人の展覧会はその人の個性と人生にどっぷり浸かれて面白いですね。
どの人も、たいてい最初は普通の絵を描いてますよね。
それがシャガールの場合、ある時期から人が空に浮かび出し、首が離れ足が離れ・・・
なんやらとなんやらは紙一重、という言葉がぴったりです(笑)
一つ、疑問だったのは会の目玉、夢ゆめしい空とぶシャガール夫妻の絵のすみっこにいた
しゃがみこんだおっちゃん・・・(詳細描写は止めときます)
この絵のほかにももう一つ、おなじようなおっちゃんがいる絵があったのですが
あれは、おちょけなのですか?
解説は真面目すぎてそれについて何のコメントもありませんでしたので
真相がわかりません。
ちょっと調べてみよ。
でもどの絵からもいろんな意味での“愛情”がばんばん伝わってくる展覧会でした。
②マウリッツハイス美術館展 神戸市立博物館にて。
ラッキーなことにこれはチケットを頂き
オランダのマウリッツさんのお屋敷が美術館になっているのですね。
あの青い色が印象的な少女の絵が一番の目玉で、この小さな絵が1室を独占していたのは
さすがですね。
いろいろな画家の絵が来ていたので最後までとても興味深く見ることができました。
シャガールのような発想の面白さや人生の流れを感じることはできないけれど
写真みたいな絵とか、分かりやすさからいくと、素人には気持ち的に楽です(笑)。
単純に素晴らしいと思える展覧会でした。
③エルミタージュ美術館展 京都市美術館にて。
フェド爺の故郷であるサンクトペテルブルクに行けたら必ず覗くであろう
エルミタージュが京都に来ているとあらば行かないわけにいかないっ。
フェルメールやレンブラント、ルーベンスといった有名どころは3日前に見たマウリッツと
かぶるところがたくさんあって、ちょっとこんがらがってましたが
いずれにせよ素晴らしい名作の数々にため息である。
好きだと思う絵の数からいえば、マウリッツのほうが多かったのだけれど
一番気に入った絵のはがきが売っていなかったので図録を購入。
はがきは随分と色の感じが変わるので、図録を買うのがいちばん。
解説もゆっくり読めるしね。
エルミタージュの建物は白を基調とした明るいイメージですが
(暗い冬の空にも映えるように、ですかね?)
絵も、まぶしいくらいに明るい色調のが多いように思ったのは私だけでしょうか。
そして気に入った絵というのは、アレクサンダー2世という皇帝の奥さんの肖像画だったのですが
(なんと、マリインスキー劇場の名前の由来になった方だそうです)
それはオーストリア皇后エリザベートの、一番有名な白いドレスと星の髪飾りの肖像画を描いた画家が
描いていました。
だから知っているような感覚になったのかしらん?!
本当は、嫁ぎ先のロシアの気候に合わなくて病気がちだった方らしいのですが
非常に美化された絵なんじゃないでしょうか(※店主個人の意見です)。
だいたい、ヴィンターハルターが描いた前述のエリザベートも、たぶん実物はほほえむどころか
むしろムスっとしていたはずなのに、絵画は非常に美しい微笑をたたえてあります。
ま、肖像画というものはそんなものでしょう。
④エル・グレコ展 国立国際美術館(大阪)にて。
こちらもチケットを頂き。
どっぷり、「エル・グレコの世界!!」でした。
あの独特の光のあたりよう、まだスペインには行ったことがないのですが
行けばわかるでしょうか。
それとも、グレコさんはものすごく敬虔なキリスト教徒なんじゃないかとおもうのですが
神の世界にしかあり得ない光が描かれているのでしょうか。
とても不思議な世界でした。
冗談でいいんですが、私はたぶん前世で何度も修道院にいたことがあると思う・・・
(ロシアでは正反対にエルミタージュの住人だったかもよ笑)
オルガンや、ステンドグラス、ロウソクのともる教会がとても馴染んだ気がするのです。
そしてトラピストクッキーを焼いてたんですが(笑)
適当な思い込みから察しますと・・・
エル・グレコが描く非常に厳しくてそして気高い雰囲気は、神に近づきたくて
自分にも厳しく敬虔であることを律していて、理想を描いているうちに現れたと。
・・・とここまで書いて、ちょっと調べてみました。
確かに、以前はそのように解釈されていたそうです、なんやこの考え古いんか!
引き伸ばされたような画法については、「そのほうがカッコよく見えるから」と本人が言ったか
書いたか、そんなことが絵の横の解説に書いてありましたので
少女マンガの画法のハシリやな。と言うとえらい“へなちょこ”な表現ですが
たぶん考えとしては同じですよね。
面白いものです。
ということで、今年はたぶん美術鑑賞はこれで終わりだと思います(笑)。
ご静聴ありがとうございました~。
凄い! 店主様は美術評論家ですね~。
エル・グレコ展を同じ様に見に行ってるのにな~んも考えへん超感覚人間の鉄子(汗)
ま、私は典型右脳人間やからしゃーないな~(笑)
今度ご一緒させて下さりませ。
鉄子師匠。
これくらいでどこが評論家やねんな!
私もものすごい適当な感覚でしか見てないし。
論理的にどうこう言えと言われたら皆目わかりませんぜ。
私の強みは、無責任にものを言い、言ったことを忘れることです(笑)。